「この子がずっと元気でいてくれたら良いのに」そう思ったのは、私が「まろん」を初めて家に迎えた日から変わりません。しかし、ある日ふと気づいたんです。いつも軽々と飛び乗っていたクッションを避けるようになり、大好きだったおやつを残す姿…。
ウサギの老いは静かに訪れるものだと実感しました。この記事では、そんな私と「まろん」の体験談を通じて、シニア期のウサギとの向き合い方をご紹介します。
小さなサインを見逃さない:ウサギの「年齢のサイン」とは?
ウサギは本能的に弱みを隠す生き物です。そのため、「あれ?」と思う小さな変化が実は重要なサインであることも少なくありません。
まろんに現れた最初のサイン
私が「まろん」の変化に気づいたのは、ある冬の朝でした。お気に入りだったクッションの上に登らず、ケージの段差を避けてうずくまっていたのです。「今日はちょっと寒いからかな?」最初はそんなふうに思っていました。
けれど、それが何日も続いたことで、私はようやく“年齢の変化”に気づきました。ジャンプの高さが落ち、動きがゆっくりになり、大好きだったドライフルーツを残すようになった「まろん」。体はもちろん、心にも変化が訪れているのかもしれない…そう感じるようになったのです。
こんな行動が見られたら要注意!私が気づいたシニア期のサイン
ジャンプ力が落ちる | 以前はケージ内のロフトにも軽々と飛び乗っていた「まろん」が、段差を避けるようになりました。 |
昼間によく寝るようになる | 活動的だった時間帯でも、ケージ内でじっとしていることが増えました。 |
おやつを残す | 大好きなったドライフルーツに興味を示さなくなり、牧草もえり好みするように…。 |
毛づくろいが減る | 毛並みにツヤがなくなり、自分でグルーミングする頻度も下がったようでした。 |
トイレ以外で粗相する | トイレまで行くこと自体が負担になっている様子でした。 |
少しでも思い当たる変化があれば、日々の過ごし方を見直すサインかもしれません。
ステップ1:暮らしやすい住環境を整える
老い支度の第一歩は、「負担のない暮らし」を作ってあげること。まろんがシニア期に入ったタイミングで、わたしは住環境を見直しました。
♦まろんとの暮らしで実際に試した住環境改善5つの工夫♦
- スロープ設置で段差解消:ケージ出入り口には柔らかいスロープを設置しました。最初は戸惑っていましたが、おやつで誘導すると次第に慣れてくれました。
2.滑り止めマットで安心感アップ:フローリングだと滑って転ぶこともあったので、ジョイントマットを敷き詰めました。そのおかげで再び部屋中を駆け回る姿を見ることができました。
3.トイレ選びも重要ポイント:縁が低く掃除しやすいトイレへ変更しました。また、防水シートを敷いて清潔さもキープできるよう工夫しました。
4.ロフト撤去で安全確保:足腰への負担軽減のため、高さ調整後に最終的には撤去しました。その代わり床にはふかふかマットを敷き、新しいお気に入りスペースになりました。
5.間接照明で視力低下にも配慮:視力低下対策として間接照明を増設しました。夜間でも穏やかに過ごせるようなった印象です。
ステップ2:部屋んぽで楽しく運動を続けよう
年をとっても、「動きたい」という気持ちは残っています。「まろん」も、ケージの扉を開けると必ず鼻を出して、部屋んぽを心待ちにしていました。
♦部屋んぽタイムの工夫♦
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マットの上を中心に移動できるように
足元が安定していると、まろんも自信を持って歩けていました。 -
休憩できるクッションを複数設置
疲れた時にはすぐに休めるように、リビングや廊下のあちこちにお気に入りのクッションを置きました。 -
軽めの運動アイテムを導入
やわらかいボールやトンネルなど、興味を持ちやすいおもちゃで自然に運動量が増えました。
運動後にそっと撫でると、まろんはじっと目を閉じて安心したような表情を見せてくれました。そのひとときが、私にとっても癒しの時間です。
ステップ3:「食」の見直しでシニア期をサポート
食事は、ウサギの健康の要です。年齢とともに、噛む力・好み・消化力にも変化が訪れます。
♦まろん流!食事改善アイデア3選♦
1.柔らかめ牧草への切り替え:以前好んで食べていた1番刈りから2番刈り・3番刈りへ変更すると食いつきが復活しました。また、小さくカットされた牧草を試してみたところ効果的でした。
2.床置き型牧草入れへ変更:首や背中への負担軽減として、高い位置から床置き型へ変更しました。その結果、自分から進んで食べる姿が戻りました。
3.ペレットもシニア仕様へ変更:繊維質多め・低カロリータイプ、小粒サイズなど細かく調整しました。また、おやつには葛葉やオオバコなど自然素材も取り入れました。

おわりに:老い支度は“別れの準備”じゃない
ウサギが年齢を重ねるということは、別れを意識することでもあります。でもそれは、必ずしも「悲しみ」だけではありません。
年齢を重ねた「まろん」との暮らしは、新しい発見と喜びの日々でした。「撫でて」と甘えてくれる時間が増えたり、小さな仕草から信頼関係の深まりを感じたり…。老い支度とは、”別れ”ではなく、”今この瞬間”をより大切にする準備なのだと気づかされました。
「これからの暮らしをどう整えるか」
「どんなふうに寄り添っていけるか」
少し立ち止まって考えることで、ウサギとの時間はもっとあたたかく、もっとやさしいものになるはずです。
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