ウサギと暮らして15年、毎日が発見の連続です。特に印象深いのは、足のトラブルをきっかけにウサギの足の大切さを痛感したこと。
実際に体験したジャンプ脱走事件や、足裏の炎症(ソアホック)との闘いを通じて、飼い主として学んだ「足を守るための具体的な工夫」を、私の失敗談や成功例も交えてご紹介します。
1.ウサギの足ってすごい!ジャンプ力にびっくりした日
「きなこ」が我が家にやってきたのは、春のぽかぽかした日でした。お迎えしてすぐ、彼女をそっと膝の上に乗せて撫でていたときのこと。緊張していた様子も徐々にほぐれてきたその瞬間――突然、バネのように私の腕から飛び降りたのです!
あまりの速さとジャンプの高さに驚き、私は数秒間固まってしまいました。まさか、こんなに軽やかに飛べるなんて…。その後調べてみると、ウサギの後ろ足には非常に発達した筋肉があり、野生では天敵から逃げるために強力なジャンプ力を発揮するとのこと。
家庭で暮らすウサギであっても、その本能はしっかり受け継がれているのだと実感しました。
2.″60cm″のサークル脱走事件!ウサギのジャンプ力をなめてはいけない
このジャンプ力に関して、さらに驚かされたのが、ある日の“脱走事件”です。60cmのサークルで囲った部屋に「きなこ」を遊ばせていた時の事。ふと目を離した隙に姿が消えてしまいました。
慌てて探すと、ソファの裏でくつろいでいる「きなこ」を発見。実は助走もつけずにサークルを軽々と飛び越えていたのです。この出来事で「ウサギのジャンプ力を甘く見てはいけない」と痛感し、すぐに90cmサークルに買い換え、より安全な環境を整えることに。
ジャンプ力を侮ると、脱走だけでなく、落下や衝突によるケガのリスクもあります。ウサギの飼育環境は「予想より一段階上の安全策」を取るのが大切です。あの時の焦りと驚きは今でも忘れられません。
3.ソアホック(足底皮膚炎)との闘い:ウサギの足に起きた異変
ウサギには肉球がありません。その代わりに足裏には厚い被毛があり、それがクッションのような役割を果たしています。
そんなある日、「きなこ」がしきりに後ろ足を舐めている姿に気づきました。よく見ると、足裏の毛が薄くなっており、皮膚が赤くただれているような状態…。すぐに動物病院に連れて行ったところ、「ソアホック(足底皮膚炎)」と診断されました。
獣医さんに言われてハッとしたのが、ケージの床材です。市販のウサギ用ケージには硬いワイヤーの床が付属しており、それが長時間足に負担をかけていたとのこと。
また、トイレ掃除がやや甘かったことで、床が常に湿っていたのも悪影響でした。ウサギの尿にはアンモニアが多く含まれ、皮膚に触れると炎症を起こしやすくなるのだそうです。
さらに、季節は乾燥しがちな冬。部屋の湿度も低く、「きなこ」も少し太り気味で運動不足気味だったこともあって、足裏にかかる圧力が強くなっていたのです。
4.【症状】ソアホックになるとどうなる?
初期は見落としやすいですが、以下のような症状が見られることがあります。
症状の段階 | 観察できる状態 |
---|---|
初期 | 足裏の被毛が薄くなる、赤みがある、気にして舐めるしぐさが増える |
中期 | 皮膚がただれる、かさぶたや出血が見られる |
重症 | 潰瘍ができる、歩き方がおかしい、足をかばうようになる、細菌感染で悪臭がする |
5.ソアホック予防のために私が始めた5つのこと
この経験をきっかけに、「きなこ」の足を守るために私が実践しているケア方法を紹介します。
① 柔らかい床材への変更
ソアホックを経験してから、ケージの床材を総入れ替え。市販のワイヤー床は思い切って外し、ホームセンターで見つけた厚手のフリースマットと滑り止め付きのタイルカーペットを組み合わせて敷いています。
特にフリース素材は、洗濯も簡単で「きなこ」も気持ちよさそうにゴロンと寝転ぶようになりました。実際に使ってみて、掃除のしやすさと足への優しさを両立できたのは大きな発見でした。
② トイレの清潔維持
尿による皮膚炎を防ぐため、トイレ掃除は1日2~3回に。こまめにペットシーツを取り替え、常に清潔を保っています。
③ 足裏の定期チェック
週に1回は足裏をそっと確認します。赤み、毛の薄さ、傷の有無など、小さな変化を見逃さないように心がけています。
④ 爪切りと体重管理
伸びすぎた爪は足に負担をかけるため、2~3週間に1回は爪を切っています。ペレットやおやつの量も見直し、肥満防止を意識。
⑤冬場の加湿と保温
加湿器で湿度40~60%をキープ。さらに、フリース素材のマットや湯たんぽを使って、足元が冷えないようにしています。
6.動物病院で教えてもらった大切なこと
動物病院では、以下のようなアドバイスももらいました。
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月1回の健康診断で足裏をチェックしてもらう
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季節ごとに湿度・床材を見直す
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足裏の毛が薄くなったら早めに受診
それ以来、我が家では毎月「きなこ」を病院に連れて行き、自宅でのケアと併用して健康管理をしています。
7.足ダン(スタンピング)はウサギからの大事なメッセージ
ある晩、テレビを観ていたときのこと。「ダンッ!」と大きな音が部屋に響きました。驚いて振り返ると、「きなこ」が後ろ足で床を叩いて、こちらをじっと見ています。
どうやら映画の音量がうるさくて、不快に感じたようです。以来、テレビや音楽はヘッドホンを使うか、ボリュームを抑えるようになりました。
足ダンは、これが初めてではありません。夜中に私が夜食を取りに立ったとき、暗がりでガサガサ音を立てたら「ダン!」。掃除機をかけた日にも、何度も足ダンされて「うるさいよ!」と怒られてしまいました。
ウサギは、驚き・怒り・警戒心などを「足ダン」で表現します。これは立派なコミュニケーション手段。小さな体で伝えてくれる感情を、私たち飼い主がしっかり受け止めてあげることが大切です。
8.おわりに:足のケアは“絆を深める時間”
ウサギの足について知識を深め、毎日のケアを習慣にしてから、「きなこ」との時間がより特別なものになりました。週に一度の足チェックは、単なる健康管理ではなく、スキンシップのひとときです。
足裏を優しく撫でながら、「今日も元気だね」と声をかける。この小さなやりとりが、私たちの信頼関係を育んでいるように思います。これからも、「きなこ」の小さな足を守るために、できることを一つひとつ続けていきたいです。



9.まとめ:【私が実践している足ケアのポイント】

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