「きなこ」との生活が5年目に入りました。毎日、私の足元をくるくる回る「きなこ」の後ろ姿。その小さなしっぽがピョコンと揺れるたび、自然と笑顔になってしまいます。
最初は「ただ可愛いだけ」と思っていたしっぽですが、長い時間を共に過ごすうちに、実はしっぽでウサギの心や健康状態がわかることに気づきました。今回は、我が家の愛ウサギ「きなこ」との暮らしの中で気づいた体験談も交えながら、ウサギのしっぽの奥深い世界をお届けします。
1. ウサギのしっぽの形と役割
ウサギのしっぽの正式名称は「尾(び)」と言い、実は脊椎の一部。つまり、骨がしっかり通っており、神経もたくさん集まっている敏感な部分なんです。私が「きなこ」を初めて家に迎えた頃のこと。

ウサギのしっぽはデリケートだから、絶対に引っ張らないでね。下手をすると神経が傷ついて、後ろ足に影響が出ることもあるから
その言葉を聞いたときは正直、「そんなに大事なところだったの?」と驚いたのを覚えています。それ以来、慎重に接するようになりました。
実際、ある日ケージを掃除しているとき、扉の隙間から「きなこ」のしっぽが見え、慌てて閉めかけた扉を止めた経験があります。もしあの時気づかなかったら…と今でもヒヤリとします。見た目は柔らかそうで頼りなさげですが、ウサギにとって「感覚器官」であるしっぽは、痛みを感じるだけでなく、平衡感覚にも関わっていると言われています。
特に、抱っこが苦手なウサギに無理やり触れようとすると、パニックになって逃げようとすることもあり、その際にしっぽを傷つけてしまうケースもあるそうです。
あんなに小さくて、可愛らしいしっぽ。でも、その中にはウサギの命を守る大切な機能が詰まっている。だからこそ、見た目の可愛さだけに気を取られず、しっぽの構造や役割を知り、優しく丁寧に扱うことが飼い主としての大切な責任だと思うようになりました。
2.「気持ちのバロメーター」になるしっぽ
最近、「きなこ」が新しいおもちゃで遊ぶ時、しっぽをピンと立てて小刻みにい動かしているのに気づきました。逆に、来客があって部屋の隅に隠れた時は、しっぽを体に巻き込むような状態でした。この動きの違いを何度も観察するうちに、「しっぽがきなこの気持ちを教えてくれている」と実感しています。
ある日、友人が家に遊びに来たとき、「きなこ」は見慣れない人に警戒して、部屋の隅っこに避難。そのときのしっぽは完全に下がりきっていました。でも、友人が帰ったあと、しっぽがふわっともとに戻るのを見て、「ああ、安心したんだな」とホッとしたのを覚えています。
3. なぜ白い?しっぽの色と生存戦略
ウサギのしっぽの裏側が白いのは、進化の結果です。野生のウサギは天敵に追われるとき、白い部分をチラチラ見せながらしっぽを左右に振って、相手の注意をそらす「撹乱行動」をします。
さらに、この白い部分は仲間への警告にも使われるそう。敵が近づいたとき、「危ないよ!」と知らせるサインになるのです。
うちの「きなこ」も、毛色はベージュ系なのに、しっぽの裏側は見事な真っ白!外で散歩させたときに後ろから見ていると、まるで「こっちだよ〜」と誘導しているかのように白いしっぽがチラチラ見えて、本当に可愛いです。
この白さ、ただのチャームポイントじゃなくて、生き抜くための進化の証だったんですね。
4. きなこの「しっぽトラブル」
「きなこ」のしっぽの根元に、赤くなった部分と小さなかさぶたを見つけた時は本当に焦りました。最初は換毛期のせいかと思い様子を見ていたのですが、数日たっても治らず、動物病院に駆け込みました。
診断は「軽い擦り傷」。ケージの柵に体をこすりつける癖が原因かもしれないと先生に言われ、すぐにケージの配置や床材を見直しました。この経験から、毎日しっぽ周りをチェックする習慣ができました。
しっぽのトラブルは珍しいようで意外と起こります。普段から注意深く観察することが大切ですね。
5. しっぽは「匂いの発信器」でもある?
あまり知られていませんが、ウサギにはしっぽの近くに「臭腺(しゅうせん)」と呼ばれるニオイを分泌する器官があります。縄張り意識の強いウサギは、自分のニオイをつけて安心するという習性があるんです。
「きなこ」もお気に入りのマットの上で、時々お尻をちょっと擦りつけるような動きをするのですが、これが「自分のニオイをつけてる」行動らしいです。
匂い自体は人間の鼻では感じにくいですが、ウサギ同士にとってはとても重要なコミュニケーション手段だそうです。
6. しっぽのケアって必要?
正直、最初は「しっぽってお手入れ必要なの?」と思っていました。でも、実際に飼ってみると、しっぽの周りも清潔に保つことがとても大切だと気づきました。たとえば、うんちがやわらかかったときなどに、しっぽの毛に汚れがつくことがあります。
きなこはブラッシングが苦手なのですが、おやつをあげながら少しずつ慣らしていくことで、今では嫌がらずにしっぽもお手入れさせてくれるようになりました。
7. しっぽと触れ合う、ふれあいの時間
個人的に、きなこのしっぽをそっとなでるときがすごく好きです。ふわふわであたたかくて、まるで丸い綿菓子みたい。
ただし、無理に触ったり、しつこく追いかけると嫌がる子もいるので、信頼関係ができてからにしましょう。しっぽを触らせてくれるのは、「この人なら大丈夫」と思ってくれている証拠かもしれませんね。
8.まとめ:小さなしっぽが語る、ウサギの心と体

ウサギのしっぽは、ただの“かわいいパーツ”ではなく、感情、健康、進化、縄張り、そして絆のすべてが詰まった大切な存在です。
5年「きなこ」と暮らしてきて、しっぽは「きなこの心と体のうつしている」と感じるようになりました。毎日の小さな変化やトラブルも、しっぽが教えてくれます。これからも、きなこのしっぽを大切にしながら、一緒に過ごす時間をもっと楽しみたいと思います。
私の体験が、これからウサギを飼う方や、すでに一緒に暮らしている方の参考になれば嬉しいです。大切な家族であるウサギのしっぽを、ぜひ優しく見守ってあげてください。


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