これまで9羽のウサギと15年間共に生活してきました。1羽として同じ性格や行動をするウサギはおらず、日々驚きと戸惑いの連続です。一般的な飼育書には書かれていないようなことも多く、その都度調べたり、動物病院に相談したりしてきました。
この記事では、私が実際に経験したウサギとの暮らしにおける困ったことや失敗談を、当時の状況を振り返りながらご紹介します。
1.予期せぬ行動!観葉植物を食べてしまった事件
ある日、リビングでくつろいでいた際、ふとウサギを見るとケージから観葉植物の葉先をかじっている姿が目にはいりました。置き場所には十分気を付けいたつもりでしたが、想像以上にウサギに好奇心があったようです。
慌てて調べると、その植物には毒性があることが判明しました。すぐに動物病院へ電話し「少量なら問題ない可能性がありますが、異変があればすぐ来院してください」とアドバイスを受けました。
この時は幸運にもウサギには異常が見られず安心しましたが、それ以来植物は完全に手の届かない場所へ移動させることを徹底しました。この経験から学んだことは、「ウサギの行動範囲は予想以上」という点です。飼育環境を見直すきっかけとなりました。
2.なぜ?かじり木に見向きもしないウサギ
多くの飼育書には、ウサギのためにかじり木を用意するようにと書かれています。我が家でも、円筒形のかじり木をケージに取り付けています。中には、先端が細くなるほど熱心にかじるウサギもいれば、全く見向きもしないウサギもいます。
かじらないウサギの歯の伸びすぎが心配になり、設置場所を変えたり、異なる素材のものを試したりしましたが、効果はありませんでした。動物病院で定期的に歯の状態をチェックしてもらっていますが、幸いなことに、歯の伸びすぎや不正咬合は見られず安心しました。

日々の食事で牧草を咀嚼することや、ウサギ自身が歯を擦り合わせることで、歯の伸びすぎを自然に防いでいる場合もありますよ。

かじり木は必ずしも全てのウサギが必要とするものではなく、個体差や気分によるものだと理解しました。
ただし、過去には1羽だけ、奥歯が異常に伸びて涙が出るようになったウサギがいました。高齢だったため手術のリスクを考慮し、また症状が軽かったこともあり、経過観察となりました。
3.悩ましい盲腸便の踏みつけ問題
我が家では1羽だけ盲腸便を踏んでしまうウサギがいました。その子は特にペレットへの執着心が強く、一度与えるともっと欲しそうな顔でこちらを見るため、つい甘やかしてしまいました。
その結果、肥満気味となり肛門周辺への口届きが悪くなり、自分で盲腸便を食べることが難しくなってしまいました。床に落ちた盲腸便を踏む様子を見るたび反省し、「ペレットやおやつは適量」を心掛けるようになりました。
また、この経験からウサギの健康管理には飼い主側の節度も重要だと痛感しました。
4.健康なのに牧草をあまり食べない理由
ペレットばかりを好み、牧草の摂取量が極端に少ないウサギがいました。心配のあまり、「せめてペレットだけでも」と多めに与えていましたが、これは逆効果でした。好きなペレットでお腹がいっぱいになり、さらに牧草を食べなくなってしまったのです。
部屋んぽの後に与えていたおやつ(バナナ)の量も、今思えば多かったと思います。また、心配するあまり頻繁に様子を見に行っていたことも、ウサギを落ち着かせなかった原因かもしれません。飼い主の過度な心配は、ウサギにも伝わってしまうものです。
最終的に、ペレットとおやつの量を減らし、牧草の種類を変えてみたところ、少しずつ食べるようになりました。

ウサギにも味の好みがあり、色々な種類の牧草を試してみるのも有効ですよ。
5.ウサギをお風呂に入れるという選択
ウサギは基本的に自分でグルーミングをするため、お風呂に入れる必要はありません。しかし、お尻がひどく汚れてしまったウサギを、部分的に洗った経験があります。汚れた部分だけを優しく洗うのですが、これがまた大暴れで大変でした。
これまで2羽のウサギをお風呂に入れたことがありますが、介護が必要だった子は、諦めたのか徐々に大人しくなりました。小動物用のシャンプーを使用し、なるべく短時間で済むように心がけました。事前に乾いたタオルを何枚も用意しておき、洗い終わったらすぐにしっかりと拭きました。
ドライヤーは、低温で遠くから当てるようにしましたが、ウサギの毛は細いのでなかなか乾かず、ストレスを与えてしまったと反省しています。
もう1羽の、盲腸便がこびりついて元気な子は、本当に激しく抵抗しました。二人で協力し、一人が優しく声をかけながら支え、もう一人が手早く洗うという状況でした。
介護が必要な場合は仕方ありませんが、元気な子に嫌な思いをさせてまでお風呂に入れるべきではなかったと痛感しました。私たち飼い主にとっても大きなストレスでした。
6.突然始まった胸の毛むしり行動
ある日突然、飼っていたウサギが自分の胸の毛をむしり始めました。ケージの中は白い毛でいっぱいになり、掃除してもすぐにまたむしるのです。異様な光景に大きな不安を感じ、すぐに原因を調べました。
その結果、疑似妊娠の可能性が高いことがわかりました。野生の妊娠したウサギは、巣穴を作り、その内側を自分の毛で覆う習性があるそうです。疑似妊娠中のメスのウサギも、本能的に巣作りと同じような行動をとることがあります。同時に、部屋んぽ中にチモシーを口いっぱいに咥えてケージに戻る様子も見られました。
この行動はしばらくすると自然に収まりましたが、大量の毛を飲み込んでしまうのではないかと、とても心配しました。このウサギは、生涯で2回ほど疑似妊娠の兆候を見せました。
7.まさかの!飼い主のウサギアレルギー発覚
いつも夫婦二人でウサギの世話をしていますが、ある時、主人の手がひどく腫れ上がり、強いかゆみに襲われました。原因を特定するため病院で検査を受けたところ、チモシーに対するアレルギーであることが判明したのです。
以前から何となく体調が優れないと感じることがあったようですが、今回の症状ではっきりとアレルギーだと認識しました。チモシーには様々な種類があり、アレルギー反応が出やすいものとそうでないものがあるようです。
主にアメリカ産とカナダ産のチモシーが流通していますが、どちらか一方にだけアレルギーを示す場合もあるそうです。そのため、現在はチモシーの管理は私が担当し、どうしても手が回らない時は、主人は手袋を着用してチモシーを補充するようにしています。
8.まとめ
15年間で9羽ものウサギたちと暮らしてきた中で感じたことは、1羽1羽が全く異なる個性を持っているという点です。同じ種類でも行動や好みは驚くほど違い、それぞれとの関わり方も変わります。この多様性こそがウサギ飼育の魅力だと思います。
例えば牧草への興味や遊び方など、小さな違いから大きな学びにつながることも多々ありました。飼育中には困ったこともありますが、その都度試行錯誤することでより深い絆を築けた気がします。
*この記事は、筆者の個人的な経験に基づいたものであり、全てのウサギに当てはまるわけではありません。飼育方法については、必ず専門家である獣医師にご相談ください。
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