13年一緒に暮らした愛兎「まろん」との日々の中で、シニア期に入ったウサギのケアの大変さと大切さと痛感しました。特に10歳を超えた頃から、「まろん」はトイレの後に自分でお尻をきれいにできなくなり、毛がしっとり湿っていいるのを見つけては慌ててふき取る毎日。
初めて肛門周りの毛が赤くなっているのを見つけた時は、「まさか、こんなことが起こるなんて」とショックを受けたのを今でも鮮明に覚えています。家族の一員であるウサギの健康を守るために、日々のケアの重要性を痛感し、試行錯誤の末に確立した対策をご紹介します。
高齢ウサギのお尻が汚れる4つの原因
1. 後ろ足の踏ん張り不足
まろんが11歳を迎えた冬、トイレの中でじっと動かず、後ろ足が小刻みに震えている姿をよく見かけるようになりました。以前はトイレの端まで小走りしていたのに、今ではその場から動けず、気が付くとお尻の下に糞が落ちて毛に絡まっていることが増えました。
毎朝ケージを開けるたび、「今日もまたお尻が汚れていないかな」とドキドキしながら確認していました。
2. 毛づくろい能力の低下
12歳のある朝、毛づくろいの途中で後肢がプルプルと震え、動きが止まってしまいました。背中からお尻はもともと自分で届きにくい部位。老化で筋肉が衰えると、毛づくろいが不完全になります。
できないことに戸惑っているような目をしていて、見ていて胸が痛みました。翌日にはお尻に大きな毛玉ができてしまい、赤く腫れてしまったのです。
3. 下痢・軟便の増加
11歳の冬、シニア用の牧草を切り替えたとき、数日間下痢が続きました。まろんのお尻の毛に便がびっしりと絡まり、毎日ふやかして丁寧に拭き取る必要がありました。老化や食事の変化、ストレスにより消化が不安定になり、便が柔らかくなると、毛への付着リスクが高まります。お互いにとって大変な時期でした。
4. 内臓機能の衰え
13歳の頃、1日に何度も排泄するようになりました。特に夜間の排泄が増え、朝起きてケージを確認すると、毛が汚れて固まっていることがありました。腸内環境の変化やホルモンバランスの乱れから排泄リズムが不規則になるのです。
ケージ内の汚れが急に増えることもあり、ケージ掃除とお尻のケアに毎日30分以上かかるようになりました。
【ステップ別】高齢ウサギのお尻ケア方法
① 毎日の“お尻チェック”で早期発見
朝の牧草タイムの後、「今日はどうかな?」と声をかけながら尻尾をめくると、小さな便のかけらが毛に絡んでいたことが何度もありました。早期に取り除くことで、大きなトラブルには至らずに済んだこともあります。
朝晩の給餌後、ケージの掃除ついでに、毛に付着した便や尿・皮膚の赤みやただれ・悪臭やかさぶたなどをチェックしていました。
② 拭き取りケアの手順とコツ
準備物:
- ぬるま湯(約40℃)
- 無香料ガーゼ or ウサギ用ウェットシート
- 滑り止め付きタオル
私が実践していたお尻ケアの手順をご紹介します。まず、まろんを膝の上に乗せて「大丈夫だよ」と声をかけながら、滑り止め付きのタオルでしっかり体を支えます。40℃ぐらいのぬるま湯で湿らせたガーゼをそっとお尻に当て、数秒待ってから、毛をひっばらないようにゆっくり拭き取りました。
最初は嫌がって暴れることもありましたが、毎回「ありがとう」と声をかけ続けるうちに、まろんも少しずつ受け入れてくれるようになりました。この小さな変化が、私たちの信頼関係を深めてくれた気がします。
注意:
- 毛を引っ張らない
- 拭きムラがないように全周を確認
③ 乾燥と保湿で皮膚トラブルを予防
乾燥後に赤みがあったので、うさぎ専用のクリームを薄く塗ったところ、翌朝には赤みが引いていました。皮膚の状態を毎日チェックすることで、小さな変化にもすぐ気づけるようになりました。
基本は「しっかり乾かす」こと。 その後、皮膚が赤い場合は低刺激の保湿剤を使います。
- 市販のウサギ用保湿クリーム
- 症状がある場合は獣医師処方の軟膏

人用のワセリンやアルコール入り製品はNGです。
介護期に便利!おすすめケアアイテム3選
介護期に私が本当に助けられたアイテムは3つあります。まず、無香料のウサギ用ウェットシートは、まろんの敏感な肌にも安心して使えました。滑り止めタオルマットは、膝の上でケアする時にまろんが滑らず、私も両手を使えてとても便利。
特に夜間や通院時にはマナーベルト(介護用パンツ)が大活躍。最初は嫌がっていた「まろん」も、慣れてくると自分から装着を受け入れてくれるようになり、私の心配も少し和らぎました。
獣医師に相談すべき3つのサイン
- 皮膚の赤みや腫れが3日以上続く
- 粘性の高い下痢や血便がある
- 食欲・排泄量・体重に急激な変化が見られる
※異変に気づいたら、すぐにかかりつけの獣医師に相談を。
【体験談】介護を通じて深まった絆
ある晩、お尻を拭いていたとき、まろんが私の手の甲にそっと鼻を押し当ててきました。その優しい仕草に、思わず涙があふれました。言葉はなくても、「ありがとう」が伝わってくる瞬間でした。
介護の時間は、ただの世話ではなく、心と心を通わせる貴重なコミュニケーション。毎日のケアが、愛情と信頼を深めてくれたのです。
まとめ:老ウサギのお尻ケアは“愛情の証”
シニアウサギの介護は、決して楽なものではありません。けれど、まろんのお尻を毎日チェックし、「今日も一緒に頑ろうね」と声をかける時間は、私にとってかけがえのない宝物になりました。
お尻ケアは、愛する家族の健康を守るための”愛情の証”。もし、あなたのウサギさんにも同じような変化が現れたら、どうか一人で悩まず、ケアの工夫や獣医師への相談をためらわないでください。
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