年齢を重ねたウサギは、体の変化だけでなく、心の面でも様々なサインを見せてくれます。私の愛兎「まろん」も、歳を取ってから甘えん坊になったり、不安そうな表情を見せたりすることが増えてきました。
この記事では、そんな「まろん」との日々を通じて見えてきた“心のケア”の大切さと、老ウサギが安心して穏やかに過ごすための暮らしのヒントをお届けします。
老ウサギにも必要な「心のケア」
ウサギは感受性豊かな動物であり、その繊細さは年齢を重ねても変わりません。特にシニア期には、不安や甘えたい気持ちが増すことがあります。私自身も「まろん」との生活で、その変化に気づかされる場面が増えました。
例えば、ある雷雨の日、若いころは平然としていた「まろん」が、その夜はベッドの下に潜り込み、震えていました。その姿を見てすぐに抱き上げ、「怖くないよ、大丈夫だよ」と背中を撫で続けました。
その瞬間、「まろん」が私を頼り安心してくれていることが伝わり、とても感慨深かったです。このような経験から、「心のケア」の重要性を再認識しました。
また最近では、人が集まるリビングで過ごす時間を好むようになりました。以前は静かな寝室でひとりでいることが好きだった「まろん」ですが、今では家族の声やぬくもりが彼女にとって”心の栄養”になっているようです。

この変化から、「老ウサギには環境や人とのつながりも大切だ」と学びました。
飼い主の気持ちはウサギに伝わる
ウサギは言葉こそ話せませんが、人間の感情や雰囲気には非常に敏感です。ある日仕事から疲れて帰宅した際、普段ならすぐ近寄ってくる「まろん」が、ケージの隅でじっとこちらを見るだけでした。その様子から、自分自身の不安な感情が彼女にも伝わっていたことに気づきました。
この経験以来、「心穏やかでいること」を意識するようになりました。例えば、「今日も一緒に過ごしてくれてありがとう」と声をかけながらゆっくり撫でることで、「まろん」も安心した表情になります。この小さな習慣は、お互いの絆を深める大切な時間になっています。
実際、気持ちが落ち着いていない日には、「まろん」の行動にも変化が出ることがあります。撫ではじめてもすぐにどこかに行ってしまったり、ケージの奥でじっとしたまま出てこなかったり。そんな日は自分を見つめ直す良い機会でもあり、「まろんと向き合う時間」が、私にとっても癒しであり心の整え方なのだと実感しています。
病院に連れていくときのストレスを軽減するために
老ウサギになると、病院に通う機会も少しずつ増えてきます。けれど、ウサギにとって病院は「知らない場所」「知らない匂い」「知らない人」のオンパレード。まろんも若い頃は比較的平気だったのに、年齢とともに移動や診察への抵抗感が強くなっていきました。
ある日、健康チェックのために動物病院へ連れて行こうとしたときのこと。キャリーケースに入れるだけで、まろんが耳を伏せて固まり、目に見えて不安がっているのがわかりました。診察中もずっと落ち着かず、帰宅後も数時間はソワソワしていました。
この経験から、次回の通院までに少しずつ「病院に行く準備」をするようになりました。たとえば、キャリーケースを普段の生活空間に置いて、安心できる場所に変える工夫をしました。中にお気に入りの毛布を敷き、おやつを入れて自由に出入りさせることで、「怖いもの」ではなく「自分のテリトリー」として慣れさせたのです。
また、通院当日は、出発前にたっぷり撫でて声をかけ、私の不安をまろんに伝えないように気をつけました。「大丈夫だよ」「すぐ終わるからね」と話しかけることで、まろんも少し安心したような表情を見せてくれるようになったのです。
診察後は、必ず「よく頑張ったね」と声をかけ、家に戻ってからはゆっくりと撫でながら、静かな時間を一緒に過ごすようにしています。こうした小さな積み重ねが、まろんの通院へのストレスを和らげてくれました。
心を通わせるメンタルケアの方法
・スキンシップ:「まろん」が一番安心するのは、私の手で背中を優しく撫でているとき。目を細め、体を預けてくるその様子から、言葉がなくても気持ちは通じていると実感します。
・声かけ:「まろん、今日もかわいいね」「いい子だね」と話しかけると、耳をぴくっと動かしたり、近寄ってきたり。ウサギにとっても、声は大切なコミュニケーション手段なのです。
・観察:毎日のルーティンの中に“まろんの顔を見る時間”を加えました。「元気かな?」「ご機嫌はどうかな?」と意識的に観察することで、小さな体調の変化にも気づけるようになります。
・安心感を与える態度:何かトラブルが起きても、あたふたせずに「大丈夫だよ」と声をかけることで、「まろん」にも安心が伝わります。
・一緒の時間を意識する:テレビを見ながらお世話をするのではなく、「まろん」だけに集中する10分を作るようにしています。その時間が私たちの絆を深めてくれます。
「今できること」に目を向ける暮らし
「まろん」も若い頃はジャンプしたり走り回ったりしていましたが、今ではのんびりと過ごす時間が増えました。そんなまろんを見て、「できなくなったこと」を数えるのではなく、「今のまろんが楽しんでいること」を一緒に味わおうと思うようになりました。
以前は高いところにも軽々と飛び乗っていましたが、最近は段差に躊躇することも増えてきました。でも、その分私の近くにいるようになり、撫でられることを心から楽しんでいる様子がうかがえます。
お気に入りの毛布の上でうとうとしている時間、おやつを手から受け取って嬉しそうに見える顔。そんな「今できる幸せ」を見つけていくことが、私の毎日の楽しみにもなっています。
まとめ:「変わらぬ愛」で満たされる日々を
老ウサギとの生活は、小さな喜びや変化への気づきを与えてくれる貴重な時間です。「できなくなったこと」に目を向けるよりも、「今できる幸せ」を一緒に楽しむことで、お互いの日々が豊かになります。
これからも愛兎「まろん」との穏やかな時間を大切にしながら、一歩ずつ歩んでいきたいと思います。
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