ウサギを初めてお迎えする時、ペットショップで最初に目に入るのがケージ。私も例外ではなく、ウサギのフードやトイレよりも先に「どのケージにしようか」と悩みました。いくつか並ぶケージを見比べながら、「ウサギって小さいし、そんなに広くなくていいのかも」と思っていたのです。
けれども、実際にウサギと暮らしていくうちに、その考えは甘かったと気づかされました。今回は、私自身が経験した失敗と学びをもとに、「ウサギが本当に安心して暮らせるケージ選び」についてご紹介します。初めてウサギを迎える方はもちろん、ケージの買い替えを考えている方にも参考になれば嬉しいです。
ウサギのサイズに合ったケージとは?~小さすぎるケージの落とし穴~
一般的にペットショップに並んでいるウサギ用ケージは、小型・中型・大型の3種類があります。
種類 | 体重の目安 | ケージの推奨サイズ |
---|---|---|
小型種 | 約1kg前後 | 横幅50~60cm、奥行40~50cm、高さ40cm以上 |
中型種 | 約2kg前後 | 横幅60~70cm、奥行50~60cm、高さ50cm以上 |
大型種 | 約3kg以上 | 横幅80cm以上、奥行60cm以上、高さも広めが理想 |
我が家では、今、4羽のウサギを飼っています。一番最初の子は、生後3ヶ月を過ぎた頃にお迎えしました。まだ手のひらに乗るくらい小さく、ぬいぐるみのような姿に家族全員がメロメロになり、「チビ」と名前を付けて、定番の中型ケージを購入しました。
最初の頃は、そのケージで十分だと思っていました。チビも元気にケージの中をぴょんぴょん跳ね回り、おやつをねだって前足を柵に引っかけてくる姿が本当に可愛らしかったのを覚えています。
しかし…数ヶ月後にはそのチビが、ぐんぐんと成長。ある日ふとケージを覗いたとき、後ろ足をまっすぐに伸ばせずに、狭そうにうずくまっている姿にハッとしました。横向きに寝ようとしても体が壁に当たってしまい、明らかに窮屈そう。
私たちはそれを見てとても驚き、申し訳なさでいっぱいになりました。このままでは快適に過ごせないと思い、慌ててペットショップに駆け込み、店員さんに相談。最終的に、横幅80cmの大きめのケージを購入することにしました。
家に戻ってさっそく新しいケージを組み立て、チビを引っ越しさせると、まるで嬉しそうに体を思いきり伸ばして寝転がっていました。その姿を見て、「やっぱり広さって大事なんだな」と改めて実感しました。
それまで私は「ホーランドロップは中型種だから、中型用でOK」と思い込んでいました。でも、うちの子はとても大きくなり、結果的には大型ケージが必要だったのです。
それ以来、我が家ではウサギをお迎えする時には、初めから成長後のサイズを見越して、余裕のあるケージを選ぶようにしています。
ケージの素材で変わるウサギの快適さと安全性
次に悩んだのがケージの「素材」でした。金属製・プラスチック製・木製…いろんなタイプがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
◎金属製ケージの特徴
通気性がよく、夏場でも熱がこもりにくい点が魅力です。ただし、床が金網になっていると、ウサギの足に負担がかかって「ソアホック(足裏の炎症)」になることがあります。
私も最初は金網床のケージを使っていましたが、ある日「きなこ」の足の裏が赤くなっているのを発見。急いですのこタイプに切り替えました。
今では、木製のすのこを敷いていて、足裏に優しい環境に。足のトラブルもすっかりなくなりました。
◎プラスチック製のケージ
見た目がスッキリしていて軽く、掃除がしやすいのが特徴。ただし、通気性がやや劣ること、そしてウサギが噛んでしまう恐れがあるので注意が必要です。我が家では、金属製のケージで床がプラスチック素材の物を使っています。
掃除しやすさも大切なポイント
ケージを選ぶ際、意外と見落としがちなのが「掃除のしやすさ」。
最初のケージは、金属部分を持ち上げて床を外して掃除するタイプでした。これがかなり重くて、毎日の掃除が苦痛に…。その後買い替えたケージは、床が引き出し式になっていて、すのこの下に落ちた牧草やトイレ砂をサッと処理できます。
忙しい朝や疲れた夜でもサッと掃除できるので、今では「絶対に引き出し式!」と決めています。丸洗いできる素材だとさらに清潔を保てて安心です。
多頭飼いのケージ事情|それぞれの安心スペースを大切に
今は4羽をそれぞれ別のケージで飼っています。多頭飼いをすると「一緒のケージでもいいのでは?」と思うかもしれませんが、ウサギにとってケージは“自分だけの安心できるテリトリー”。
過去に一度、同じケージで過ごさせたことがありますが、ある日突然喧嘩が始まり、耳を噛まれてしまったことが…。それ以来、それぞれのケージを用意し、部屋んぽ(部屋の中を自由に散歩させる時間)で一緒に遊ばせるスタイルに変えました。
ケージの配置も重要で、はじめはお互いの視界に入らないような工夫や、カバーで囲ってあげることで落ち着いて過ごせるようになります。
(上の写真はエアコンの掃除をしてもらった時に、ケージを重ねた状態です!)
まとめ:ウサギの気持ちに寄り添ったケージ選びを
ウサギはデリケートな動物です。ケージが狭すぎたり、素材が合っていなかったりすると、ストレスを感じたり、体調を崩したりすることもあります。
私の経験を通じて感じたのは、「見た目や値段だけで選ばないこと」。ウサギにとってケージは、寝る場所であり、食べる場所であり、くつろぐ場所。まさに“おうち”なのです。
10年近く生きる子もいるからこそ、ウサギにとって安心で快適な空間を整えてあげたいですね。今、我が家のウサギたちは、広々としたケージで足をのばして寝転び、お気に入りの木のすのこでくつろいでいます。その姿を見ているだけで、私も癒されています。
あなたのウサギさんにも、心から安心できる“おうち”を見つけてあげてくださいね。
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