ウサギとの暮らしは、春夏秋冬、それぞれの季節で違った表情を見せてくれます。
我が家では、「もこ」「ちょこ」「ぷりん」という3羽の愛するウサギたちとに過ごした時間が、それぞれ宝物のような思い出となっています。
この記事では、そんなウサギたちと四季を過ごす中で感じた、日々の喜びや気づきを振り返りながら、暮らしのエピソードをお伝えしていきます。
春:お花見とウサギの好奇心
春になると、朝の空気がやわらく感じられ、私たち家族もウサギたちも自然に外に出たくなります。毎年、桜が咲くと「もこ」「ちょこ」「ぷりん」と一緒に庭へ出て、即席のお花見を楽しむのが我が家の春のイベントです。
ある年、「ちょこ」が庭の隅でじっと桜の花びらを見つめていたので、そっと近づいてみると、花びらが鼻先にふんわりと落ちてきました。「ちょこ」は驚くこともなく、花びらをクンクンと嗅いだり、前足でちょこんと触ってみたり。私もその様子を見て、春の訪れを一緒に感じているような、幸せな気持ちになりました。
またある年は、庭の隅に咲いていたたんぽぽを見つけて、「ぷりん」が嬉しそうに近づいていったことがありました。食べさせることはできませんが、その黄色い花を前にして、くるくるとその場を回る様子が、まるで春を満喫しているようで、ほっこりした気持ちになりました。

春はウサギにとっても刺激がいっぱい。ただし、外遊びは必ずハーネスをつけて、安全第一で行います。
また、春は換毛期の始まり。ふわふわの毛が大量に抜けるため、毎朝のブラッシングが欠かせませんでした。時には、「もこ」が毛づくろい中に抜けた毛をぺろっと飲み込みそうになるので、すぐにストップ。毎日ブラシと掃除機が手放せない“ブラッシングと掃除の季節”でした。
夏:暑さ対策と“もこ”のひんやりスポット
夏は、ウサギたちにとって本当に過酷な季節です。特に長毛の「もこ」はすぐに体が熱くなってしまうので、毎年暑さ対策には頭を悩ませていました。我が家では、エアコンを25℃前後に設定し、さらにアルミプレートや凍らせたペットボトルをケージの隅に置いて、「もこ」専用の”ひんやりコーナー”をつくりました。

ある日、もこが玄関の冷たいタイルの上でぺたんと寝そべっているのを見て、思わず「そこが一番涼しいんだね」と声をかけてしまったことも。
一方、「ちょこ」と「ぷりん」は仲良く扇風機の前を陣取り、風を浴びながらまったりお昼寝。ときには2羽で鼻をくっつけて眠る様子に、こちらの心もとろけてしまいそうでした。
夏のお出かけや通院時は、キャリーケースに小さな保冷剤をタオルで包んで入れるなど、移動中の温度管理にも気を配りました。夏は特に神経を使いますが、まず、ウサギたちの安全と快適さを考えることで、乗り切ることができたのです。
秋:ウサギの落ち葉遊びと“ちょこ”のまったり時間
秋になると、朝晩の空気がひんやりしてきて、ウサギたちの食欲もぐんとアップします。夏バテ気味だった「ちょこ」も、秋には大好きな牧草を夢中で食べるようになり、私も安心しました。
紅葉が進むと、窓の外の赤や黄色の木々を3羽で並んで眺めている姿がとても微笑ましく、思わず写真を撮りたくなります。ときには、近所の公園で拾った枯れ葉をケージに入れてあげると、興味津々でホリホリ・カサカサ…。

ある日、公園で拾った落ち葉をケージに入れてあげたら、「ちょこ」が一枚ずつくわえては運び、自分だけの”落ち葉コレクション”を作っていました。その姿を見て、ウサギにも秋の楽しみがあるのだなと、ほっこりした気持ちになりました。
また、朝晩の気温差が激しい秋は、ケージに毛布をかけたり、ペットヒーターを設置したりして温度調整を心がけました。秋は、自然との距離が近くなる分、工夫もまた楽しい季節だと感じています。
冬:ぬくぬくタイムと3羽の絆
冬になると、ウサギたちは自然と家族のそばに集まってきます。私がこたつに入っていると、「ちょこ」や「ぷりん」がそっと足元に寄り添い、じんわりとしたぬくもりを分け合う時間がふえました。
特に「ぷりん」はこたつ布団の中にすっぽり潜り込んで、私の足にピッタリくっついて眠るのが大好き。その寝顔を見ていると、こちらまで心が温かくなります。

3羽がギュッと寄り添って眠る姿や、お互いにグルーミングする様子は、まるで小さな家族そのもの。
冬はヒーターや保温マットのコードをかじられないように工夫したり、毎朝温度計と湿度計をチェックして、加湿器も併用しながら快適な環境を維持していました。ウサギたちが寒さで体調を崩さないよう、家族みんなで協力して見守った冬の日々は、今でも大切は思い出です。

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ウサギが教えてくれたこと
ウサギたちと暮らしてきて実感するのは、彼らが本当に繊細で感受性豊かな存在だということです。モコの晩年、目が合うたびに「大丈夫、いつもそばにいるよ」と語り掛けてくれているような安心感がありました。
毎日日記をつけて小さな変化を記録していたおかげで、「今日はごはんの量が少ない」「なんだか甘えてこない」など、些細な違いにも気づけるようになりました。こうした日々の観察が、病気の早期発見につながったこともあり、ウサギたちから命の大切さや、家族として支え合うことの尊さを学びました。
まとめ:ウサギとの思い出は、季節の中に生き続ける
「もこ」「ちょこ」「ぷりん」と過ごした四季折々の日々は、私にとってかけがえのない宝物です。春の庭で一緒に桜を眺めた事、夏の暑さにみんなで知恵を絞ったこと、秋の落ち葉遊びや、冬のぬくもりを分け合った時間……どの季節にも、彼女たちとの思い出が色鮮やかに残っています。
命ある時間は限られていますが、一緒に過ごした日々の記憶は、いつまでも私の心の中で生き続けています。これからも、ウサギたちと暮らす楽しさや命の大切さを、少しでも多くの方に伝えていけたらうれしいです。
そしてなにより、季節ごとに少しずつ変化するウサギたちの様子を感じ取りながら過ごす時間は、私自身にとっても「今」を大切にすることの大事さを教えてくれました。忙しい日々の中で見落としてしまいそうな、小さな気配や変化。ウサギたちはそれを、言葉ではなく行動やしぐさで教えてくれるのです。
もし、これからウサギとの暮らしを始めようと思っている方がいれば、ぜひ一日一日を丁寧に、そしてその子らしいペースを尊重しながら過ごしてみてください。ウサギは控えめで繊細な存在ですが、そのぶん心が通い合ったときの喜びは、何ものにも代えがたいものがあります。
この文章が、ウサギとの暮らしの中で何か新しい気づきや安心をもたらすきっかけになれば、とてもうれしく思います。あなたとウサギとの毎日が、やさしくあたたかな時間で満たされますように。

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