【体験重視】ハムスター多頭飼いのリアルな現実と私が学んだ「本当の注意点」

ハムスターの種類と性格

ハムスターが寄り添って眠る姿にあこがれて、多頭飼いにチャレンジした私。しかし、実際には予想以上に難しく、思いがけないトラブルも経験しました。

この記事では、私自身の失敗と成功体験をもとに、ハムスター多頭飼いのリアルな現実と、種類ごとの向き不向き、そして絶対に知っておくべき注意点を詳しくお伝えします。

1. ハムスターは「単独飼い」が基本

私がハムスターの多頭飼いに挑戦したのは、「寄り添って眠る可愛い姿を見たい」という、ちょっとした憧れからでした。特にジャンガリアンハムスターは小柄で、仲間同士で仲良く暮らせると思い込んでいたのです。

最初に迎えたのは、ペットショップで「姉妹」として一緒のケースに入っていたジャンガリアンの2匹でした。ショップのスタッフさんからも「小さいうちは一緒でも大丈夫」と言われたこともあり、同じケージに寝床もエサ場も1つずつだけ用意して飼い始めました。

初日はとても順調で、2匹は身を寄せ合いながら眠り、毛づくろいをし合う姿に「やっぱり多頭飼いにしてよかった」と安心していました。ところが、数日後の夜中、ケージの方から「キーキーッ!」という高い鳴き声が聞こえてきたのです。

慌てて駆け寄ると、2匹が取っ組み合いになって激しく喧嘩しており、一匹は耳から出血していました。とても素手では止められる状態ではなく、タオルでそっと包んで2匹を引き離し、すぐに動物病院へ。

診察の結果は「裂傷」。幸い大事には至らず、抗生物質の塗り薬で治りましたが、私の中では大きなショックでした。仲良く過ごせると思い込んでいたことが、彼らにとってストレスの原因になっていたのです。

この出来事をきっかけに、私は「ハムスターは本質的に単独生活を好む動物」という事実を、身をもって痛感しました。そして、「可愛いから一緒に」という人間の都合だけで多頭飼いをすることの危うさも学びました。

2. 【種類別】多頭飼いの向き・不向き

2-1.ゴールデンハムスター

私が現在飼っているゴールデンハムスターの「なな」は、最初にお迎えしたときは、とてもおっとりした性格に見えました。人懐っこくて手にもよく乗ってきてくれるし、おっとりした顔立ちもあって、「この子なら多頭飼いでもいけるのでは?」と一瞬でも思ってしまったほどです。

でも、実際に暮らしてみると、驚くほど縄張り意識が強いことが分かりました。掃除のためにケージ内のレイアウトを少し変えただけで、しばらく落ち着かず、トンネルやエサ入れの位置を戻すまでずっとそわそわしていたんです。そのとき、「ああ、この子にとって『いつもと同じ場所』はすごく大事なんだな」と実感しました。

そして思い出されたのが、以前ハムスターを飼っていた知人の話です。その方は、ゴールデンハムスターの兄弟を小さな頃から同じケージで育てていて、「ずっと仲良しでかわいいよ」と話していたのですが、ある日突然連絡が来ました。「昨日、2匹が大喧嘩して、片方が流血してしまった」と。

ちょうど生後3か月を過ぎたあたりで、いわゆる“思春期”に入る頃だったそうです。それまで寄り添って眠っていた兄弟が、ある日を境にお互いを威嚇し、取っ組み合いに発展。止めに入ったときにはすでに片方が怪我を負っており、病院で縫合処置が必要になるほどだったと聞きました。

その話を聞いたときは、「仲が良ければ一緒でも大丈夫なんだろう」と軽く考えていた私ですが、「なな」の縄張り意識を見ているうちに、知人の経験は決して他人事ではないと身をもって感じるようになりました。

たとえ生まれたときから一緒に育っていた兄弟でも、ゴールデンハムスターにとっては「自分だけの空間」が必要不可欠。むしろ、仲が良かった分、突然の攻撃性に気づくのが遅れてしまう危険もあるのだと思います。
この経験を通じて、ゴールデンハムスターはやはり単独飼育が基本。多頭飼いには向かない、非常に繊細で独立した性格の持ち主だと実感しました。

2-2.ジャンガリアンハムスター

ジャンガリアンハムスターは見た目こそ可愛らしいですが、実際はかなり気が強い個体も多いです。私が2匹の姉妹ジャンガリアンを同居させた際、最初の数日は寄り添って眠っていましたが、ある日突然、寝床の取り合いで激しい喧嘩に。片方の毛が抜け、もう一方も怪我を負い、慌てて別のケージに移しました。この経験から、

ジャンガリアンの多頭飼いは十分な広さのあるケージにし、寝床・回し車・食事スペースをそれぞれ2つずつ用意し、常に様子を観察する必要があると感じています。そして「いざという時すぐに分けられる準備」が必須だと痛感しました。

2-3.ロボロフスキーハムスター

ロボロフスキーハムスターは、私がこれまで飼育してきたハムスターの中では、唯一「多頭飼いがある程度うまくいった」と言える種類でした。ジャンガリアンやゴールデンと違って、攻撃的な様子を見せることが少なく、体も小さくておとなしい印象です。

私が迎えたのは、ペットショップで一緒に飼われていた姉妹のロボロフスキー。手のひらにすっぽり収まる小さな2匹が、ちょこちょこと並んで走り回る姿に一目惚れして、そのまま2匹セットで連れて帰りました。

同居用に用意したケージは横幅60cmほどの広さで、寝床と砂浴び場、回し車を1つずつ設置。最初のうちは何もかもを仲良く共有し、砂浴びを一緒に転がって楽しんだり、寝る時は身体をくっつけて眠ったりと、見ていて心が癒される毎日でした。2匹で巣材を集めて巣を作っている姿なんて、まるで小さな職人のようで、毎晩ケージを覗くのが私の日課になっていました。

ですが、そんな平和な日々にも、ある日ちょっとした変化が現れました。夕方の給餌のとき、いつもなら2匹で一緒に寄ってくるのに、その日は片方の子だけがエサ皿の前に陣取り、もう一方はケージの隅でじっと固まったまま動こうとしなかったのです。

最初は「今日は眠いのかな?」程度にしか思っていませんでしたが、次の日も同じような様子が続き、エサを与えても片方が独占状態、もう片方は近づくことさえせず…。改めて観察してみると、体格にも少し差が出始めており、隅にいた子の毛づやも心なしか悪くなっているように見えました。

これはまずいと思い、すぐに別のケージを用意して2匹を分けました。その後、別々に飼育したことで2匹とも元気を取り戻し、特に隅にいた子は、数日後にはしっかり食べて活動的な様子に戻りました。

この経験を通じて学んだのは、「ロボロフスキー=多頭飼いOK」とは一概には言えないということ。確かに比較的温厚でケンカは少ない傾向にありますが、それでも個体差や相性の問題は確実に存在します。特にエサや寝床の独占行動は、ストレスや体調不良につながる大きなサインです。
だからこそ、ロボロフスキーの多頭飼育においても、「毎日のこまめな観察」が何よりも大切。そして、少しでも異変を感じたら迷わず個別飼育に切り替える判断力が、飼い主として求められるのだと痛感しました。

3. 実録:私の多頭飼い体験談

ジャンガリアン姉妹の喧嘩では、夜中にケージから「キーキー」と鳴き声が聞こえ、慌てて見に行くと取っ組み合いの真っ最中。寝床を1つしか用意していなかったことが原因でした。それ以来、寝床やエサ場などは必ず個別に用意し、最初から予備のケージも準備するようになりました。

ロボロフスキー姉妹の同居は、飼い主としても癒しの時間でした。2匹で巣材を運ぶ姿や、一緒に砂浴びする様子は今でも忘れられません。ただ、エサの独占や体格差が出てきた時は、すぐにケージを分けるなど、こまめな観察と対応が不可欠でした。

オスとメスのジャンガリアンを一時的に同居させた際、数週間後に赤ちゃんが誕生。性別管理の大切さと、繁殖の大変さを身をもって体験しました。準備不足で慌てた経験から、「異性の同居は絶対NG」と強く思うようになりました。

4. 多頭飼いを考える際のポイント

ハムスターの多頭飼いを成功させるためには、いくつかの大切なポイントがあります。私自身の体験から特に重要だと感じたのは、「それぞれの性格の違いをしっかり見極めること」、そして「いざという時にすぐ分けられるよう、予備のケージを準備しておくこと」です。

さらに、寝床・トイレ・エサ場などは必ず個別に用意するのが基本です。1つしかないと、どうしても取り合いになってしまい、喧嘩やストレスの原因になります。

そして何より大切なのは、「毎日しっかり観察すること」と「変化に気づける心の余裕」を持つこと。私は朝と夜に必ずケージの様子をチェックし、食欲や行動パターンのちょっとした変化にも目を向けるようにしていました。

もし「いつもと違うな」と感じたら、迷わず個別飼育に切り替える判断力と柔軟さも必要です。大切なのは、ハムスターたちが安心して過ごせる環境を整えてあげること。そのためには、飼い主自身の準備と観察力が欠かせないと実感しています。

5. まとめ

ハムスターの多頭飼いは、理想と現実のギャップが大きい飼育スタイルです。私の経験では、可愛い姿に癒される一方で、喧嘩や怪我、繁殖トラブルなど予想外の事態も多く、飼い主の観察力と準備が問われます。

種類や性格、生活環境をしっかり見極め、「本当にこの子たちが一緒に暮せるか」を冷静に判断しましょう。もし迷ったら、単独飼いが一番安心です。多頭飼いに挑戦する場合は、しっかり準備を整えてからスタートしてください。

コメント